人間の鼻に着想を得たPC用ダストフィルター、将来はあなたのパソコンをもっと清潔に保つかも
鼻をヒントにしたケース用フィルターでPCのホコリ問題を解決?

デスクトップパソコンやノートパソコンの内部にホコリが入るのを防ぐためのダストフィルターが、近い将来、大きく進化するかもしれません。その背景には、人間の鼻から着想を得た新しい発明があります。
韓国の研究者たちは、「バイオインスパイアード超高粘着フィルター」を開発しました。これはオイルをコーティングしたメッシュ素材で、従来のフィルターよりも効率的にホコリや微粒子をキャッチします。科学誌『Nature』に掲載された研究によると、この革新的なフィルターは、粘液で覆われた鼻毛が空気中の微粒子を捕らえる仕組みを模倣しています。例えとしては少し意外かもしれませんが、その自然な効率性が注目されています。
このバイオミメティックフィルターは、メッシュに薄くシリコーンオイルをスプレーすることで作られます。微細な粒子がオイルの表面に触れると、私たちの鼻の中でホコリが捕まるのと同じように、しっかりと付着します。研究では、この現象が強い粘着効果を生み、パソコンやデバイス内をホコリから守るのに役立つと説明されています。
主な用途は家庭や産業向けの空気清浄ですが、この技術はパソコンなどの電子機器用フィルターにも簡単に応用できると考えられています。
この新しいフィルターは、従来型に比べて圧倒的に多くのホコリをキャッチできるだけでなく、寿命も2~3倍長くなっています。性能を維持するためには、フィルターを水洗いして乾かし、無害なオイルを再度スプレーするだけ。メンテナンスも手軽なので、機器をより清潔に、長く使い続けることができます。
分析:もしかすると鼻水かもしれません

新しいタイプのPCケースの登場に備えるべきでしょうか?今すぐというわけではありませんが、この革新的なアイデアはパソコンの世界に本当のメリットをもたらすかもしれません。
デスクトップPCケースやノートパソコンの筐体については、いつもバランスが求められます。パーツを冷やすためには十分な通気口が必要ですが、通気性を高めるとその分ホコリも内部に入りやすくなってしまいます。
一般的な防塵フィルターも役立ちますが、すべてのホコリを防ぎきれるわけではありません。ガラスサイドパネル付きのPCなら、内部をのぞいてみると結構な量のホコリが溜まっているのに気付くはずです。
時間が経つと、特に定期的に掃除をしない場合は、CPUファンやグラフィックボードの周りにホコリがたまりがちです。正直なところ、多くの人はこうしたメンテナンスを後回しにしがちですよね。
新しいオイルベースのフィルターが登場すれば、PC内部をホコリから守るゲームチェンジャーとなり、頻繁な掃除の手間を大幅に減らす、あるいは不要にする可能性もあります。
ここまでホコリの話を聞いてPCを掃除したくなった方は、ぜひ慎重に作業してください。エアダスター(圧縮空気スプレー)を使い、安全なクリーニング方法を守ってファンなどを傷つけないよう気を付けましょう。ノートパソコンの場合は特に注意が必要で、自信がない場合は自分で分解しないのが無難です。
